普通のビジネスマンと一流のビジネスマンの違いはどこにあるのでしょうか。その答えとなるものが仕事を進めるうえでのちょっとしたコツ、すなわち仕事術です。
社会人ならば、自分の仕事をこなすのは当然のこととして期待されます。周囲と差をつけるためには漠然と仕事をするのではなく、常に最善の行動を取れるよう意識しておかなければなりません。
この記事では、今日から取り入れられる10の仕事術を紹介します。
一目置かれるビジネスマンが実践している仕事術10選
経営者などビジネスにおいて実績を残している人たちは、必ずといっていいほど独自の仕事術を実践しています。多忙な中でも上手に仕事を管理して自分の役割を全うし、さらに新しい分野に目を向ける時間まで確保できているのは仕事術のおかげです。
人と同じように仕事をするのではなく、仕事術を取り入れ、正しい仕事の方法など多くのことを学んだからこそ成功を掴めたともいえます。
成功者は常に努力をし、成功経験を活かしてさらなる高みを目指しています。その成功経験の鍵となるのが、仕事や自分の質を高める仕事術です。
自己啓発書などでは、数多くの仕事術が紹介されています。しかし、すべて取り入れようとして自分のスタイルを見失っては本末転倒です。PDCAサイクルに代表されるように、仕事術も実践後の自己評価を経て初めて取り入れた意味があるものなのです。
この記事では、最低限押さえておきたい仕事術を10個に絞って紹介しています。さらに上を目指す人は今回紹介している仕事術をマスターしたうえで、新たに自分に合った方法を探してみてください。
1、ビジネスにおいては常に結論から先に伝える
話を聞いてもらう相手は、自分のために時間を割いてくれています。最も伝えたい点である結論を先に持ってくれば、その後に続く補足となる話も結論ありきでスムーズに耳に入ってくるため、話をしっかりと理解してもらえます。そこで役立つ話術が「PREP法」です。
PREP法におけるRはReason(理由)、EはExample(具体例)、そしてPはいずれもPoint(要点、結論)を表します。この順番で話を進めれば、誰にとってもわかりやすい話となります。
自分の持ち時間が長いプレゼンの場面では、最初と最後に結論を言うPREP法が特に有効です。一貫した話となるため説得力が出るだけでなく、2回言うことで伝えたいことをより強調できます。
結論を2回言う構成上、話が長くなりやすい傾向があるため、理由を簡潔にするなどの工夫をすればより効果的です。
2、曖昧な表現を使わず、具体的な数字、日にちを伝える
曖昧な表現を使った場合、人によってイメージされるものは違います。例えば「大体」という言葉で進捗を表す場合、完成に近い状態から骨組みがあらかたできた程度まで、使用できる場面はさまざまです。便利な言葉ですが、目標より完成度が低くなってしまった場合にも使える「逃げ」の言葉でもあります。
一方、具体的な数字を使った表現は正確です。50%の段階まで仕事が進んだと言った場合、誰が聞いても全体の折り返し地点までたどり着いたとわかります。正しく現場を把握したい上司やクライアントの立場からすると、こちらのほうがありがたいはずです。
「商品をよりたくさん売る」より「商品を現在の2倍売る」としたほうが、説得力も強く表れます。このように、具体的な表現を使って共通認識を持たせることができれば、発言に信頼感が生まれます。
3、仕事を依頼するときは、内容だけでなく目的、期限を伝える
期限が定まっていない仕事は、別の仕事に押されてどんどん優先度が下がってしまいます。依頼した仕事を確実にこなしてもらうためには、期限の設定は必要不可欠です。また、このときにその依頼の目的も的確に伝えることも重要です。
イソップ童話のひとつに、「3人のレンガ職人」という話があります。高い目的を持つことで同じ仕事でもモチベーションが高まるという現象の代表例です。
レンガを積んでいる3人のレンガ職人に何をしているのか尋ねたところ、1人目は「レンガを積んでいる」と作業内容だけを答えました。そして2人目は「壁を作っている」と答え、3人目は「大聖堂を作っている」と答えました。このとき、1人目、2人目、3人目と自分が行っている作業の目的が明確になってくるにつれ、楽しそうに答えるという特徴が描かれています。
このように、プロジェクト全体の目標が明確になっていれば仕事にもやりがいが生まれ、取り組み方も違ってきます。
4、取引先はもちろん部下でも相手の話は遮らない
部下の話を聞く際は、拙さや内容の浅さが気になってしまうこともあるかもしれません。しかし、先が読めてしまったとしても、最後まで聞くことによるメリットは数多くあります。
たとえば、組織の中で目下の人は目上の人よりも話を遮られてしまう場面が多いです。ビジネスにおけるコミュニケーションスキルが十分に身についていないという可能性もありますが、そうでなくても立場を盾にぞんざいにあしらわれてしまう場合もありえます。だからこそ、最後まできちんと聞くというだけでも、懐の広い人だと思ってもらえる可能性が高くなります。
また、話し方や言葉選びなどは相手の考え方を理解する最大のヒントであるため、最後まで聞くことで相手の感情や思考をより明確に理解することができます。
その後アドバイスをする際も、話を通して聞くことで頭の中で整理ができるので、わざわざ途中で遮って話し始める場合よりも理路整然と説明できるでしょう。
5、常に余力を残した状態で仕事をする
平常業務は60%程度の力でこなせるようになるのが理想的だとされています。常に全力で仕事をしていれば仕事自体が息苦しいものとなってしまううえ、周りを見渡すことができなくなるので気配りをする余裕なども生まれません。
突発的な仕事が入れば、さらに余裕がなくなってしまいます。仕事を受ける際は、順調に進まない可能性を考慮して、余裕を持った期限を設定しましょう。3日かかる仕事なら、5日程度を見積もっておくのがおすすめです。
期限に余裕があれば、通常通り進めれば前倒しのスケジュールで仕事が終わるため高評価にもつながります。余裕のない期限設定にしてしまうと、順調に進まず遅延した場合に期限を守れなくなってしまいます。
6、朝一番にタスクの把握、整理をする
朝一番にその日のタスク整理をし、一日の時間割を作ってしまいましょう。次に取り組むタスクを考える時間は、一日の中で最も無駄な時間です。
最適な時間配分が決まっていなければ、目についたものからとりあえず実行してしまうなど非効率的な仕事の仕方をしてしまうかもしれません。事前に優先順位を決めておけば、あとは淡々とこなしていくだけで自動的に効率の良い進め方となります。
とはいえ、突発的に別の仕事を振られることもあるでしょう。その場合は別の備忘録で管理するのが有効です。本来の仕事を早く終えた際の空き時間などを利用し、なるべく本来の時間割に割り込まないようにしましょう。それが緊急の業務であっても内容をよく確認すれば、後からの対応で十分であるケースも多いです。
7、午前中に重要な仕事に取り掛かる
朝一での時間割作成と似た考え方ですが、優先的にやるべきことは最初のほうに持ってくるのが基本です。朝は一日の中でも頭がクリアに働く時間帯であるため、作業効率も上がります。
重要な仕事がすでに終わっていれば、突発的な仕事を割り振られても安心です。それが大きな仕事であっても、当初予定していた仕事の重要な部分は片付けられていると考えられれば気が楽になるでしょう。
この仕事術を取り入れている人の中には、午前11時半までは人と会う予定を入れずに自分の仕事を片付けるために使っているという人もいます。これくらい大胆にメリハリをつけた時間配分は、気持ちを切り替える意味でも最適です。
毎日のコアタイムが決まっていればその時間内に終わらせようという意識が働くため、さらなる効率化にもつながります。
8、後々使いまわせるようにテンプレート化を意識
どのような仕事であっても、慣れない仕事は難しく感じてしまうものです。しかし、全く別物のように感じられる仕事同士でも、意外なところに共通点があるケースは少なくありません。
資料フォーマットなどだけでなく、仕事の取り組み方そのものにもテンプレートとなるものを作っておけばさまざまな場面で役立ちます。
次回からはそれを基準に動けば迷うことが少なくなるうえ、仕事に統一感が生まれます。また、業務を振り返るときも、習得度のチェックや改善点の把握も簡単になります。さらに、テンプレートがあれば行動方法の共有もできるため、自分だけでなく会社全体の成長にもつながります。
仕事の75%はテンプレート化できると考えられているため、まずは日々のルーチンワークから取り入れてみましょう。
9、自分の業界以外の情報収集もさぼらない
風が吹けば桶屋が儲かるという言葉があるように、世の中はさまざまな要素が組み合わさって構成されています。このため、一流のビジネスマンとなるには、自分の業界以外の情報収集も欠かせません。
政界や財界のリーダークラスともなると、勉強不足で話が通じないと判断されれば次の面会も取りつけられなくなるとされています。ここで役立つのが新聞です。自分で1記事ずつ選んで読む電子版ではなく、あらゆる情報が目につく紙の新聞をできれば2紙以上読むのが良いでしょう。
本を読むのもいいですが、読む際は速読ではなく1冊ずつじっくり読み込むのがおすすめです。ふとした記述から得た知識が意外なところで応用できるケースも少なくありません。
10、休息は意識して取る
体調管理も仕事のひとつです。アスリートは試合で最高のパフォーマンスを発揮するため、過酷な練習を繰り返す一方でしっかり休んで体調面でもコンディションを整えています。特に睡眠はパフォーマンス面で非常に重要です。
1日6時間睡眠を2週間続けている人のパフォーマンスや心理状態は、2日間徹夜をした人と同等という調査結果があります。その際、調査の被験者は自身のパフォーマンスの低下に気づいていませんでした。
もし8時間以上の睡眠時間が確保できていないのであれば、知らず知らずのうちに自分のパフォーマンスを落としているかもしれません。睡眠は8時間以上しっかりとるようにしましょう。体調が優れない場合は無理せず休み、万全の状態で仕事ができるよう回復に専念するのが先決です。
仕事術を実践してデキるビジネスマンになろう
キャリアアップを希望していても、そのための方法を実践できる人はさほど多くありません。今回紹介した仕事術を取り入れるだけでも、周りより一歩進んだデキるビジネスマンになれることでしょう。
また、今回紹介した仕事術はいずれも今日から取り入れられるものばかりです。ぜひ今日から実践して、一歩先行くビジネスマンを目指しましょう。