ビジネスカジュアルが普及していくなか、ビジネススニーカーの人気が高まってきています。スニーカー通勤をしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、カジュアルになりすぎないか、どのようなビジネススニーカーを選んだらよいのか迷うこともあります。
そこで、スーツに合うビジネススニーカーの選び方や、おすすめのブランドと人気のスニーカーを紹介します。
スポーツ庁が推奨しはじめたスーツ×スニーカー通勤
ビジネスシーンでスニーカーを履く人が増えてきています。革靴に変わってスニーカーを履くことを推奨する「スニーカー通勤」は、大企業を中心に広がりつつあるといえるでしょう。
こうした変化の背景のひとつとして、スポーツ庁が国民の健康増進を目的に2017年10月にスタートさせた「FUN+WALK PROJECT」があります。
スポーツ庁がスニーカー通勤のメリットとしてまず挙げているのは運動量がアップすることです。普段、運動不足を感じつつも、仕事が忙しくて時間が取れないという人も多いのではないでしょうか。
通勤に歩くことをもっと取り入れれば、手軽に運動を習慣化できます。スニーカーはクッション性が高く運動に向いており、通気性など快適度も高いのが特徴です。いつもより長い距離を通勤で歩くという気持ちにもなりやすいでしょう。
また、出勤前に適度な運動をすることによる脳の活性化、ひいては仕事の効率向上などが挙げられています。運動をするとお酒もおいしく飲めるので仲間との交流が増えたり、以前は行かなかった街でのショッピングに足が延びたりと、行動がアクティブになる効果も期待されています。
ビジネスシーンの靴としてスニーカーを取り入れてみてはどうでしょうか。
どんなスニーカーがスーツに合うのか
スーツにスニーカーを合わせるとき、最も気を使うことが多いのがTPOです。スニーカー通勤に対する意見の中には「スーツにスニーカーは似合わない」「営業職なのでスニーカーは履けない」などの声もあります。
これといったマナーやルールが決まっていないだけに、どこまでカジュアルなスニーカーが許されるかわからない人もいるでしょう。
スーツスタイルに合わせやすいスニーカーの特徴は、一言でいえば色・形・素材が革靴に近いもの、ということになります。色は黒や茶など革靴で使われているものを選べば間違いありません。ただ、スニーカーの場合、白も好まれる傾向があるのが特徴です。
逆にカラフルな色合いは避けるのが一般的です。スニーカーのなかには個性的なデザインのものが多いですが、職場によっては悪い印象を持たれる恐れもあります。
形はローカットやミドルカットなど、くるぶし下までの靴が無難です。ハイカットのスニーカーはカジュアルすぎるという印象を受けやすいので、シーンを選びましょう。素材はやはりレザー素材が最も似合います。また、同じ革素材のスエードも、アパレル関係の企業などでは認めているところも多いようです。
ビジネススニーカーおすすめブランド10選
ここではスーツに似合うスニーカーで人気のブランドを紹介します。
1、リーガル
リーガルは1986年誕生以来、日本のビジネスシーンで確固としたシェアを持つ紳士向け革靴のブランドです。
元はアメリカの企業でしたが、日本企業が買収したことから、日本人の足やライフスタイルに適した靴を数多く販売するようになりました。オーソドックスで落ち着きあるデザインが特徴で、幅広い層から支持されています。
リーガルのビジネススニーカーは「ウォーカー」シリーズが人気です。ふんわりと接地の衝撃を吸収するインソールの「オーソライト」や、かかとにかかる力を推進力に変える高反発クッション「ウォークストライドクッション」など、独自技術が投入されています。
デザイン面では甲革に牛革を使っているビジネススニーカーが多いため、あまりカジュアルにしたくない人にも向いています。
2、コールハーン
1928年、アメリカのシカゴで誕生したコールハーンは、いまやアメリカを代表する巨大アパレルブランドとして君臨しています。ブランド名は創業者である靴職人トラフトン・コール氏とエディ・ハーン氏の名前から付けられました。
1988年にはナイキの完全子会社になったことから「ナイキエア」など先進技術との融合も進み、ラグジュアリーな名門ならではのデザインと先進技術が両立しているのが特徴です。
ビジネススニーカーとしては、ビンテージもののテニスシューズにインスパイアされてデザインしたという「グランドプロ」のコレクションが人気です。アッパー素材にステインレザーを使った高級感のあるスニーカーは、スーツによく合うでしょう。
他にも、インパクトのあるソールが特徴の「ドライビングシューズ」モデルもあります。これらはいずれも非常に軽量で、クッション性に優れています。デザインも履き心地も妥協できない人に向いているビジネススニーカーといえるでしょう。
3、POLO RALPH LAUREN
POLO RALPH LAURENは、日本において最も知名度の高いブランドの1つです。ビジネススニーカーにおいても、おなじみのロゴが入っており、ブランド品を履いていることをさりげなくアピールできます。
価格も実勢価格1万円以下から購入できるので、とりあえずビジネススニーカーを試してみたい人にも向いているブランドです。
POLO RALPH LAURENのスニーカーはバリエーションに富んでいますが、ビジネススニーカーとして適しているものとしては、キャンバススニーカーの「ハンフォード」シリーズが人気です。
また、スエードとレザーのコンビネーションスニーカーである「キャンリオ」シリーズもスーツになじみやすいといえますし、ソフトレザーを使用した軽量な「フェルトン」シリーズも合わせやすいでしょう。
4、クラークス
クラークスは、1825年にイギリスで創業された老舗ブランドです。伝統工芸のような上質な革を使った品のよい靴から、新技術を取り入れた未来的なデザインの靴まで、幅広いデザインが特徴です。
スニーカー通勤に適した靴としては、「アン コスタ レース」などが向いています。スムースレザーの落ち着いた光沢感があり、高級感があります。また、ソフトな素材なので歩きやすいのが特徴です。
5、サントーニ
イタリアを代表するシューズブランドがサントーニです。エレガントで色気が漂うようなデザインと評されており、おしゃれに人一倍こだわりたい人に選ばれているブランドといえるでしょう。
ハイブランドと共同デザインのシューズを数多く手掛けていることでも知られるサントーニは、エルメスとのコラボスニーカーも発表するなど、ラグジュアリースニーカーブームの火付け役などともいわれています。
サントーニのスニーカーの代表作は、なんといってもレザースニーカーです。スーツスタイルから休日のカジュアルコーデまで幅広いスタイルに合わせられるでしょう。プライベートにも兼用できるスニーカーを探している人は、サントーニのレザースニーカーを探してみてはどうでしょうか。
6、ラコステ
ラコステはフランスのパリで創業されたブランドで、ワニのロゴマークは認知度も抜群です。
紳士のイメージがあるラコステはシニア層に絶大な支持がありますが、20~30代の大人カジュアルのアイテムとしても人気があります。ビジネススニーカーとして人気なのは「EVARA PREMIUM」。
ラコステがビジネスカジュアルのニーズに応えるためにリリースしたドレス系スニーカーです。細見の形はタイトなスーツにも似合うのではないでしょうか。サイドにはゴールドのワニロゴメタルプレートが付いており、とても高級感があります。
7、NIKE
運動用の靴としてのイメージが強いNIKEですが、スニーカー通勤で履けるスニーカーもあります。ただ、ナイキのロゴがやや目立つため、カジュアルなスタイルが許されている職場に向いているといえるかもしれません。
スニーカー通勤をしている人のなかには、ロッカーで革靴に履き替える人もいます。このように使うのであれば、通気性やクッション性など、靴としての機能面を重視する人などにも向いているブランドです。また、ナイキ AIRMAX 90などは、黒を選べばスーツに合わせることもできます。
8、adidas
NIKEと比較されることの多いadidasは、アスリートたちから人気が高く、高い機能性が特徴のブランドです。
ビジネススニーカーとしては、スタンスミスシリーズが白スニーカーの定番とされているので、検討してみてはどうでしょうか。スタンスミスは、伝説的なテニスプレーヤーの名前が由来となっているスニーカーで、時を超えて愛されるシンプルでミニマルなデザインが特徴です。
9、New Balance
New Balanceは、医療用の矯正靴づくりからスタートしたこともあって、足の健康を重視する人に向いているブランドです。特にフィットネスウォーキング用にリリースされているスニーカーを選べば、快適にスニーカー通勤ができるでしょう。
ただ、フィットネス用ということもあり、スーツに合わせにくい面もあります。そのように感じる人は、タウンウォーキング用のラインナップのほうが無難といえます。
黒またはブラウンのレザー素材のものを選べば、スーツにも合わせやすいスニーカーといえるでしょう。クッション性や歩行のしやすさはもちろんのこと、防水性にも優れているので、天候を選びません。
10、フレッドペリー
フレッドペリーは月桂樹の紋章でおなじみのアパレルブランドです。もともとテニスブランドとして創業されたことから、スニーカーでもテニスシューズが多いのが特徴です。
上品な白スニーカーとしても人気のブランドなので、白色を検討している人は、購入を検討してみてはどうでしょうか。また、気品があっておしゃれなスエードを使用したスニーカーも、フォーマルなスーツスタイルをやや外すアイテムとして人気です。
迷ったときはモノトーン×レザーが鉄板
スーツにスニーカーを合わせるときに気になるのは、カジュアルすぎる印象を与えないかどうかです。特に社外の人と会う場合には、マナー違反に思われないか気になるところでしょう。
迷ったときは、色はモノトーンを選び、素材はレザーを選ぶのが間違いありません。これならば、よほどフォーマルな場や、高級飲食店でない限り、マナー違反になることは少ないといえます。
紹介してきたブランドなどのスニーカーのなかから、モノトーンとレザーの組み合わせを探してみましょう。
おしゃれで快適なスニーカーで通勤しよう
スポーツ庁の音頭取りもあって、スーツにスニーカーを履くことは、マナー違反ではなくなってきています。歩きやすいスニーカーで通勤すれば、歩く距離が自然に増え、健康を維持することも期待できるのではないでしょうか。
世界的に人気のブランドならば、おしゃれなスニーカーも豊富にあります。ファッションにもこだわって、スニーカー通勤を楽しみましょう。