ビジネスのシーンで相手に与える第一印象は重要です。第一印象の多くは視覚情報に影響されるという、あの有名なメラビアンの法則を誰もが一度は、耳にしたことがあるのではないでしょうか。
また、立正大学心理学部の名誉教授、齊藤 勇氏によると、最近では「第一印象は0.2秒で決まる」という研究結果も出ているそうです。
今回は、ビジネスマンにとって第一印象を大きく左右する「スーツ」に着目し、デキる男に見せるためのビジネススーツの選び方・着こなし術をご紹介します。
ビジネススーツの選び方の鉄則|サイズの基本を押さえる
ビジネススーツの選び方の基本は「自分に合ったサイズ」を知ること。以下、7つのポイントに分けて正しいビジネススーツの選び方をご紹介します。
鉄則1、肩巾
「スーツは肩で決まる」といっても過言ではないほど、ジャケット選びにおいて重要なのが、肩のフィッティングです。目安は肩幅から1センチ余るくらい。
ジャケットの肩山と自分の肩の位置が、狭すぎてもゆるすぎてもNGです。
鉄則2、ウエストの大きさ
スーツの表情を左右するのが、ボタンまわりのウエスト部分。
ボタンを留めた際にスーツにシワが寄らず、横から見たときにダボっとボタンまわりが前に突き出さなければOKです。鏡を見て、前と横しっかり確認しましょう。
鉄則3、袖丈
腕をまっすぐ下ろした状態でシャツが1cm~1.5cm見えるくらいの長さがベストです。手を床と垂直に曲げたとき、袖丈が甲に大きく被ってしまう、あるいは、まったく手の甲に触れない場合は、サイズ調整が必要です。
鉄則4、着丈
着丈のジャストサイズは、お尻が隠れる長さ。とはいえ、長すぎてもだらしないので注意しましょう。目安はお尻がギリギリ隠れるくらいの長さです。
(身長-23cm)÷2=着丈という式を覚えておくと便利です。
鉄則5、ネクタイの長さ
ネクタイは短すぎても長すぎても格好わるいです。ネクタイの剣先がベルトのバックル内におさまるようサイズを調整しましょう。
鉄則6、パンツのウエストのサイズ
パンツは、ゆるすぎたりキツすぎたりすると、ベルトを締めた際にシワが寄ってしまい不格好な印象になります。パンツ選びの際は、指が入るくらいのサイズを目安にしましょう。
鉄則7、パンツの裾丈
パンツの裾丈には、ワンクッション・ハーフクッション・ノークッションの3つの種類があります。ビジネスシーンでは、ワンクッションがおすすめ。シューズの上部分に少しだけ裾口が触れる長さがちょうどいいです。
ジャストサイズをつくれるオーダーメイドスーツがオススメ
オーダーメイドスーツの仕立てでない限り、ジャストサイズのスーツを選ぶのは難しくなります。
最近では、既製品と同じような価格帯で、スーツをオーダーメイドすることが出来ますので、第一印象でバッチリ、デキるビジネスマンをアピールしたいなら、オーダーメイドで、生地にもこだわって、仕立てるのがベストです。
注意点としては、オーダーメイドのスーツは、納期に時間がかかることです。最低でも1ヵ月は余裕を見てオーダーが必要だと思っておきましょう。
ビジネススーツの着こなし術|細部にもこだわる
自分に合ったビジネススーツが見つかっても、着こなし方が間違っていては、相手に与える印象はよくありません。
ここでは、デキる男を演出するための「正しいビジネススーツの着こなし方」をご紹介します。
ポイント1、ジャケットのボタン
スーツの着こなしの基本は、ボタンの留め方です。一番下のボタンは留めず、着席時はボタンを外す。と覚えておけば問題ありませんが、普段から実践していないと、意外と出来ないものです。
2つボタン
最もスタンダードなのが2つボタンのスーツです。フォーマルでもカジュアルでも対応できるので、どんなシーン、場所でも着用することが出来ます。
ボタンの留め方は、上のボタンだけを留めます。
3つボタン
Vゾーンが狭く、クラシックな印象になるのが3つボタンのスーツです。段返り3つボタンの場合は、真ん中のボタンのみ。通常の3つボタンは、上と真ん中を留め、一番下のボタンは留めません。
また、2つボタンも3つボタンも、着席時にはボタンをすべて外すこと。就活生でもない限り、ボタンを外してから席につくのが大人のマナーです。
ポイント2、ネクタイの色と柄
ビジネスシーンでのスーツの着こなしを考えるなら、ネクタイの色と柄が相手に与える印象と、ビジネスに相応しいデザインについて、しっかり把握しておく必要があります。
色
紺・ブルー | 日本のビジネスマンに好かれる色No.1とされています。知的で誠実な印象を与えてくれます。 |
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黄色 | コミュニケーションカラーといわれ、相手に親近感を抱かせることが出来ます。 |
赤色 | 熱意が伝わるカラーなので、プレゼン時などにおすすめです。 |
グレー | 相手の警戒心をやわらげ、穏やかな印象を与えてくれるカラーです。 |
柄
ストライプ | 爽やかな印象を与えてくれるストライプ柄。ストライプの幅が広くなるほどカジュアルになるので、ビジネスシーンでは幅の細いタイプで、色数の少ないものがオススメです。 |
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チェック | シーンを選ばずに使える柄ですが、ビジネスでは色数の少ないものを選び、派手になり過ぎないようにしましょう。 |
ドット | ドットの大きさによって印象が異なります。ドットが小さいほど落ち着いた印象になりビジネスシーンで利用しやすいです。 |
無地 | 誠実な印象を与えてくれます。ベーシックなのでどんなシーン、コーディネートとも合わせやすいです。 | 小紋柄 | 柄が大きくなるほどカジュアルになります。色のコントラストを抑えつつ、小さめの柄にすると好印象です。 |
日本のビジネスシーンにおいて、紺×ストライプが無難ですが、それだけでは差別化は出来ません。
ビジネスマナーの範囲内で、デキるビジネスマンをアピールできるようなコーディネートをしていきましょう。
ポイント3、ネクタイの太さ
ネクタイの太さにも気を配るのが、デキる男の着こなしポイントです。まとまりのあるスッキリとした印象を与えるなら、ネクタイの幅とジャケットのラペル(下襟)の幅を揃えるといいでしょう。
細い幅のネクタイは、スマートな印象を与えてくれますが、カジュアルなシーンでのみ締めた方が安心です。ビジネススーツの基本はレギュラー幅を選びましょう。
ポイント4、ネクタイのくぼみ
ネクタイを結んだら、仕上げとして結び目にディンプル(くぼみ)をつくりましょう。ポイントは、結び目の「高い位置」からディンプルをつくること。結び目の下のほうにつくると、すぐに崩れてしまいます。
ポイント5、ポケットの中身
スーツを格好よく着こなすには、美しいシルエットを見せることが大切。ポケットには何も入れないのがベターです。スマホやパスケースなどの小物類も、鞄にしまいましょう。
ただし、胸ポケットやパンツの後ろポケットにハンカチーフを入れて見せるのはOKです。
ポイント6、ベルトの幅と色
ビジネスマンのスーツに合わせるベルトは、オーソドックスなプレーンベルトがオススメです。また、ベルトは幅の広さが1cm変わるだけで、かなり印象が変わります。一般的には、3~3.5cmぐらいの幅がビジネスシーンでは使いやすいです。
ベルトの色はシューズの色と合わせるのが鉄則。ベルトが黒なのにシューズが茶系といったように色が不揃いだと、統一感がなく、頼りない印象になってしまいます。
ポイント7、ソックスの色・サイズ
ビジネスシーンに適しているのは、黒・グレー・ネイビーのソックスです。足元が浮いてしまう白は避けましょう。
スーツの色が黒のときは、黒のソックスを。スーツの色がネイビー・グレーのときは、スーツとシューズの中間色を選ぶのがベストです。
ソックスの長さは、座ったときにスネ毛が見えないサイズを選びましょう。
まとめ
ビジネスシーンでデキる男を演出する、ビジネススーツの選び方・着こなし術をご紹介しました。
いずれも基本を押さえたものばかりですが、ビジネスマンたるもの、決して外してはいけないポイントです。
第一印象はビジネスシーンにおいてとても重要です。ビジネススーツをスマートに着こなし、相手に安心感や信頼を与えられるような、デキるビジネスマンを目指しましょう。