ヤバいノートを見つけてしまった。その名も鈴木学院指定学習ノート「きっちゅノート」。
一般人はその存在すら知らず、家柄、財力、学力を兼ね備えた選ばれし者しか入学を許されないとされる鈴木学院。近年SNSの普及により、その学校指定のアイテムがひそかにブームとなっているというのですが…
鈴木学院の謎に迫る
そもそも一体、鈴木学院とはいかなる学校なのでしょうか。世の中の動きに通ずる真のビジネスマンとしては、その謎めいた存在について、解き明かさずにおけないところです。
鈴木学院の正体
商品ページ冒頭にある、鈴木学院の紹介文を見てみましょう。
“伝統と格式を重んじる、世界唯一の学校「非学校法人 鈴木学院」“
(https://serenadetimes.com/stationery/kitsch-note-set10-a5/より引用:以下引用部分は同サイトから)
なるほど、伝統と格式。この言葉だけで、「ごきげんよう」のこだまする、キラキラした学園生活が思い浮かぶようです。…おや?
「非」学校法人…?何の情報にもなっていない…!
唯一確かなのは、鈴木学院が「学校法人ではないなにか」だということ。反対に言えば、鈴木学院は、学校法人でなければ「何でもありうる」ということです。きっとそれが、鈴木学院の鈴木学院たる所以なのでしょう(謎)。
ノートの特徴から垣間見える鈴木学院の闇
つづいて、ノートの紹介文から「鈴木学院」にツッコミを入れていきましょう(趣旨が変わっている)。
まずはノートの罫線について。
“罫線の幅は、鈴木学院指定フォントサイズが書きやすい罫線幅”
(引用:同上)
「学院指定フォントサイズ」ってワードはじめて聞いたわ。「美しい文字を書けぬ者、罰則を与える」なんて校則があるくらいですから、きっと罫線を1mmでもはみ出したら、校舎奥の薄暗いところに軟禁され…戻ってからもずっと、「非学院生」として差別の対象に…そんな扱いが容易に想像できてしまいます。恐るべし鈴木学院。
次は表紙の独創的なデザインについて見てみましょう。
“かわいらしいイラストを描かせたら右に出るものはいないと、世界的に評価の高いイラストレーター集団「きっちゅ」による『選民思想』をテーマにしたイラストが描かれている。”(引用:同上)
ナチュラルに飛び出してくる「選民思想」とかいう物騒なワード。人権とか平等とか、近代国家の常識もどこ吹く風。
細部へのこだわり
ノート裏面には、ツバメノート謹製のMADE IN JAPANであることの主張に加えて、手書き文体のひらがなで「でざいんど ばい きっちゅ」と書かれています。
きっちゅってデザイナーのことだったのか…とここを見て分かりました。それにしても、細部までこだわっていることが見てとれますね。
ノートのベースは最高品質の「ツバメノート」
アイテム紹介という趣旨に戻って、ノートそのものの品質を見てみましょう。
「ツバメノート」というノートをご存じでしょうか。少し大きな文房具屋さんに行くと必ず置いてある、いかにも格式高そうなノート。アイテムにこだわるビジネスマンなら、受験生時代、「勉強できる感」を演出しようと使っていた方もいるのではないでしょうか(その好例は筆者)。なんとあの黒澤明も愛用していたというのだから、その品質は明らかでしょう。
ともあれ今回紹介している鈴木学院指定学習ノート「きっちゅノート」のベースとなっているのは、このツバメノートなんです。
筆記に特化したフールス紙
このツバメノートに使われている「フールス紙」は、印刷用としては用いられることのない、あくまで「手書き」にこだわり抜いた素材です。
ボールペンから万年筆まで、どんな筆記具でもインクが滲まず、スムーズな書き心地を実現しています。
“人類の進歩に大きく貢献する鈴木学院生の思想と思考を長く後世に残すため10000年保存がきく、この「フールス紙」を採用することは必要不可欠”
(引用:同上)
とか言っていますが、保存年数はともかく、さまざまな場面での筆記が考えられるビジネスマンにとって、「インクが滲まず、保存が利く」という品質はうれしいポイント。
職人による罫引き(けいびき)
ツバメノートの特徴のひとつが、「罫引き」と呼ばれる作業を水性インクで行っていること。機織機のような、糸を罫線の幅に並べた機械を用いて、インクを紙に乗せていきます。
50年以上用いられているその機械を操ることができるのは、国内でも1人か2人と言われています。「ケイ引き所」と呼ばれる町工場で、職人が高い精度で引いた罫線。魅力を感じずにはいられません。
鈴木学院指定学習ノート「きっちゅノート」のお値段
さて、そんな魅力たっぷりの「ツバメノート」を土台に開発された「きっちゅノート」。気になるのは実際の価格ですよね。
なんといっても、本来は「選ばれし者」しか手にすることのできないアイテムですから、その価値はプライスレス。いくらであろうと、決して「高い」なんてことは言えないはずです。
(参考)ツバメノートの価格
参考までに、通常のツバメノートのお値段を見ておきましょう。「きっちゅノート」と同じB5サイズの場合、実売価格は200~250円ほどの場合が多いようです。上記のような品質を考えれば、むしろ安いのでは?と思えてしまいます。
「きっちゅノート」の価格
「きっちゅノート」は、罫線入りのものや方眼仕様、無地のタイプが5冊セットになって販売されています。カラーリングもそれぞれ異なり、ハイセンスな彩りを机上に添えてくれることでしょう。
さて、問題のお値段はというと…
5,000円
高いよ。納得の価格ですね。なんといっても、ノート販売の企画元であるSerenadeTimesが「必死の懇願と賄賂により」どうにか販売に漕ぎつけたというのですから、少々値が張るのも当然。
むしろノートの品質、鈴木学院のブランド、そしてSerenadeTimesの積んだ賄賂を考えれば、安いと言ってもいいくらいです。
いかがでしたでしょうか。非常にネタに富んだアイテムで、ビジネスマンにとっても話のとっかかりとして有効に活用できるのではないでしょうか。
品質は折り紙つきですから、話題を集めることの価値を考えれば、案外本当に安いのかもしれませんね。
いったいどんなノート何だろうと気になってしまった人は、きっちゅノートを仕様を下記で確認してみて下さい。
非鈴木学院指定学習ノート「きっちゅノート」の詳細へ